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平成29年3月歌舞伎座 昼の部

3月の歌舞伎座昼の部を観てきました。

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まずは『明君行状記』。初めて観ます。他の真山青果の作品と同じようにセリフ中心の芝居でした。殿様の本心を探る青池善左衛門に亀三郎さん。彼がこれだけ中心となる舞台も初めてでしたが、さわやかに一生懸命に演じられていた。対する名君池田候は高砂屋。こちらはニンにあったお役でした。この芝居が今取り上げられる理由はよくわからないけれど、若い人がもらったお役をしっかりこなしている舞台を観るのは楽しい。彦三郎襲名に向けて頑張ってください。

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次は松嶋屋の『渡海屋・大物浦』。
まずは渡海屋。松嶋屋の、相模五郎と入江丹蔵を取り押さえてのセリフは聴き応えがあって聴いていて面白かった。この人の上方のこのような世話のセリフ廻しは見事です。梅玉さんは出てきただけで憂いある貴公子の雰囲気があり、こちらも積年の成せる技だと思いました。時蔵さんの仕方話も余裕があってよかった。また知盛があのような悪霊の姿で義経を討とうとするのは、次に頼朝を討たんがためで、あくまでも知盛が生きているとは思わせないための計略だったというのがセリフから分かり、長いことこの芝居を観てきたけれどそれを初めて理解しました。・・・と、ここの場の3人ともセリフを含めて丁寧に演じられていたの、じっくり観ることができました。

そして『大物浦』。自分の計略も筒抜けで、安徳帝からは仇に思うなと諭され、典侍の局からも(帝を入水から救ってくれた)義経の恩を忘れないでと言われ自害されてしまうなど「重なる憂き目に勇気も砕け(床)」る知盛。そして、餓鬼道や修羅道の苦しみを目の当たりにしてきたのは全て清盛の悪逆の天罰だと「是非もなき(床)」と思う、つまりそこに思い至る。そのうえで自分はここまで傷を負っていて助からないだろうから海底の藻屑と消える、今回のことは知盛の怨霊がやったことだと伝えてくれ、と言って碇を担いで入水に至る。

という展開も、松嶋屋のその明快なセリフで理解しました。すごく新鮮な思いで観劇できた大物浦だった。

あと、おっ!と思ったのは、花道から傷だらけで登場してきた知盛が喉が渇いたそぶりをし、自分の腹に刺さった矢を抜いてそこについてる血を舐め渇きを凌ぐというシーンが生々しかった。また、入江丹蔵の猿弥さん。前に染高麗の時の弁慶役でも良かったけど、今回の丹蔵役でもセリフや動きが明快でこちらも良かったです。

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三幕目は常磐津舞踊の『どんつく』。亡くなった十代目三津五郎さんの三回忌の追善狂言と銘打たれた舞台で、巳之助さんが劇団の並み居る先輩らの前で立派に踊っていらした。舞台は亀戸天神で、太鼓橋と藤棚の藤と亀戸天神らしい舞台面で、音羽屋、魁春さん、時蔵さん、海老蔵さん、松緑さん、団蔵さん、彦三郎さんらがそれぞれ大工、白酒売、芸者、若旦那、親方、田舎侍、門礼者などに扮して居並び、それぞれが踊る、楽しい一幕でした。

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今月の昼の部は、どの幕も特徴があって楽しかった。

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